3Dホログラム|ディスプレイの種類について|活用シーンも紹介


3Dホログラムと聞くとSF映画のような近未来なイメージが湧きますよね?
最近ではVR技術も利用され始め、仮想現実の世界を楽しむこともできるようになってきています。
このように、3Dの世界がすぐ身近なところにまできています。
この3Dホログラムの技術を店舗、イベントなどにもこれからさらに積極的に導入されることでしょう。
今回はそんな3Dホログラムのディスプレイ種類や、活用シーンについて紹介したいと思います。

1 3dホログラムとは

デジタルサイネージ

3Dホログラムと聞くとSF映画などに出てくるような何もないところから3D映像が浮かび上がるようなシーンをイメージされるのはないでしょうか?
正式には立体的に見える映像全てを3Dホログラムと呼ぶわけではありません。
3Dに見える角度に制限があったり、メガネのようなウェアラブルデバイスを掛けないと3Dに見えないというものは3Dホログラムとは似ていますがまた違った技術なのです。
どれが良い悪いというのではなく、技術の利用次第で各々一長一短あり、将来的な活用方法にも大きく変わってきます。
3Dホログラムの定義として、「肉眼で、全方向、どの角度からも立体的に見えるもの」に加え、「物体が立体的に記録・再生されているか」ということも大切なポイントです。

2 3dホログラムの種類について

デジタルサイネージ

前述したとおり、3Dホログラムと呼べるものは、「肉眼で、全方向、どの角度からも立体的に見えるもの」、「物体が立体的に記録・再生されているか」ということが条件です。
しかしながら、この3Dホログラムを使用するには「光の振幅(光の強さ)」、「光の波長(光の色)」、「光の位相(光の差す方向)」この3つの光の要素をレーザー光で記録、再生する必要があり、これらを記録するデータ量も増え、画像解像度も鮮明でなければならないため、非常に高度で大掛かりな特殊機器が必要とされます。
そのため、現在では3Dホログラムに似た技術が使用されるケースが多く見られます。
この3Dホログラムに似た技術を紹介します。

2-1 ペッパーズゴースト型

3D映像として最も幅広く活用されている技術がペッパーズゴースト型です。
故マイケル・ジャクソンが3Dホログラフィックで復活し、ラスベガスで本物のダンサーと一緒に踊っているかのように見える有名なライブでも使用されたり、日本でもライブ・コンサートに使われることも多い技術です。
また、ディズニーランドのホーンテッドマンションの舞踏会の部屋の幽霊もこの技術を活用し映しています。
このように現在でも様々なところに使われている技術ですが、非常に歴史は古く、昔から舞台演劇などで錯覚を使った演出を応用した技術が元となっています。
別の部屋に設置してある物体や人に光を当て、ガラスの反射を利用してステージ上に物体や人が存在するかのように見せかける手法です。
現代ではこの技術の応用として、ステージを透過性のあるスクリーンで覆い、そこに映像を投影することによって3Dホログラムのように見せる演出が活用されています。
このスクリーンは強い光は透過するようになっていて、映像を映し出さず、弱い光であれば映像を映し出すことができます。
この光の強弱を使ってスクリーンに映し出した映像と、スクリーンの奥にいる人やセットなど、どちらも見えることでそこに人や物体が存在しているように演出します。
しかし、ペッパーズゴーストは見る角度によっては立体的に見えなかったり、利用できる場所にも制限が出てきてしまいます。非常に使いやすい技術で一般的にも使われている技術だけに、このような点が今後の課題となっており、技術開発が盛んに行われています。

2-2 水蒸気型

水蒸気を機械で霧のように吹き出し、その水蒸気をスクリーンの替わりに活用します。
水蒸気は光を反射する作用があるため、水蒸気を吹き出している部分に投影することで3Dホログラフィックのように見せかけることができます。
水蒸気に触れることができるので映像をすり抜けたり、スクリーンではできない演出が活用可能になります。
また、人通りが多かったりするような場所でもぶつかったりしても安全なため公共の場でも使用しやすい設備です。
しかし、強風だと映像が乱れてしまったり、ペッパーズゴーストと同様に、見る角度によっては綺麗に映像が見えない場合も出てくることが難点です。

2-3 ブレード型

ブレード型と言われる技術は本体ブレードにLEDが設置されており、ブレードを扇風機のように高速回転させることによって残像効果で映像を立体的に浮かび上がらせる3Dホログラフィック技術です。
近年はデジタルサイネージとして使われるケースも増えてきており、特殊で大掛かりな3Dホログラフィックの機器が必要だったところ、このブレード型であれば簡単に設置することができます。
元来の2Dのサイネージとは違って非常にインパクトのある3Dホログラフィックを映し出せることから、高い訴求力を得ることができます。
活用の仕方も様々で、商品によってはいくつものブレードを連結させたもので大きな3D映像を映し出すこともできます。

3 3dホログラムの活用方法

デジタルサイネージ

上記で紹介したような様々な疑似3Dホログラムの技術を活用することで、様々な場所、シーンで使われるようになった3D技術ですが、具体的にどんなところで活用されているのかご紹介します。

3-1 ①ライブ・コンサートの演出

前述した故マイケル・ジャクソンの3Dホログラムでの演出のように、日本でも多くのライブ・コンサートの演出にペッパーズゴーストの技術などが使われています。
最新技術を積極的に取り入れたライブを行っている女性3人組ユニットのPerfumeの演出や、元X JAPANの故hideがホログラフィックとして復活したり、初音ミクがステージ上に実在しているかのような演出など、ステージを盛り上げる演出として使用されています。

3-2 ②エンジニアのアシストとして活躍

Microsoft社が開発したMR(Mixed Reality:複合現実)を実現するウェアラブルデバイス「Hololens2」がトヨタなどで実用化されています。
このMRというものは現実世界の物体を認識してその物体に合わせて高解像度の3D映像を投影してくれます。
HoloLens 2を装着してMRを活用することにより、車の整備や修理などで、これまで車種ごとに参照する情報を別途確認する手間が省けます。その他、パーツや作業手順などが3D表示でリアルタイムで情報を与えてくれるので、作業員のクオリティ確保、作業スピードの向上などメリットが出ることを期待されています。
同様に、建築業界でも活躍しています。
まだ誰も想像できないような構造物などを他人と共有することは非常に難しいことですが、Hololens2を利用すれば図面などを読み取ることができない人でも簡単に完成イメージを共有することができます。

3-3 ③店頭のサイネージ、展示会のプロモーションの注目度UP

SONYは2020年に高精細空間再現ディスプレイ(Spatial Reality Display)「ELF-SR1」を発売しています。
特別なメガネやヘッドセットなどは必要とせず、裸眼で3D映像を見ることができる15.6インチの4Kディスプレイです。
このディスプレイを活用することによって訴求力を上げたり人を呼び込むことだけでなく、まだまだ目にすることが少ない3Dホログラムですので珍しさからSNSにアップする人も少なからずいるでしょう。
そうすれば拡散され、実際にその場にいない人にも認知してもらえるという2次的な効果も期待できます。
展示会などでは、説明しにくい構造部分だったりイメージを伝えるには3Dホログラムはとても効果を発揮しやすいツールとなります。

 

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