屋外用デジタルサイネージ|大型・防水・レンタルなどの価格について

1 デジタルサイネージの仕組み

デジタルサイネージの仕組みは大きく分けて「表示装置」「コントロール部」「デジタル通信部」「ストレージ部」の4つの構造から成り立っています。
近年ではこれらのシステムが小型化し、コストパフォーマンスも上がったことから屋外など場所も選ばず、誰でも導入しやすくなりました。
こちらを一つずつ解説していきます。

「表示装置」

静止画や動画、文字情報など人の目に触れるディスプレイを指します。
ちょっとしたものにも使える小型のものからビルの壁面を覆い、遠目でも認識できる屋外の大規模なものまで種類は様々です。
テレビなどの液晶モニターでも代用が可能です。

「コントロール部」

表示される動画、映像や管理部との通信を制御する部分です。記憶装置としても機能しています。

「デジタル通信部」

広告映像などの配信元から情報を受け取る機関です。
デジタルサイネージがネットワーク型であればサイネージ側から動作確認など、情報を返すことも可能です。

「ストレージ部」

画像、映像情報などを保存する部分です。
外付けの拡張器などを使うことでメモリーの容量を増やすこともできます。
また、スタンドアロン型のデジタルサイネージであればこの部分に外部からの広告情報などを取り込み、反映させることも可能です。

デジタルサイネージはこのような構造で成り立っていますが、これらハードウェアの他に表示するコンテンツを管理するソフトウェアの導入が必要です。

1-1 デジタルサイネージの表示機器

デジタルサイネージの表示機器には大きく分けて「スタンドアロン型」「ネットワーク配信型」の2種類あります。

「スタンドアロン型デジタルサイネージ」

ネットワーク接続の必要がなく、広告の映像、画像などのコンテンツを書き込んだUSBメモリやSDカードなどで直接取り込み、サイネージを再生させるタイプです。
必要な装置もディスプレイとデータの読み込み装置のみですので比較的コストとしてもお手軽で初心者に使いやすいタイプです。
ただ、情報の更新などがタイムリーに行いづらく、複数使用する場合も一台一台変更を行わないといけません。スタンドアロン型を使う際は、情報の更新を頻繁に行う必要がない用途、場所で利用するほうが好ましいでしょう。

「ネットワーク配信型デジタルサイネージ」

デジタルサイネージ自体に通信機能を持たせ、配信元がコンテンツをアップロードすることによってディスプレイに表示させることができます。
こちらは専用サーバを利用して配信する「オンプレミス型」とクラウドにコンテンツを共有し、そこから配信できる「クラウド型」があります。
特に近年注目を集めているのは「クラウド型」です。理由としては今までは専用サーバを導入しなければ使えなかったものが、クラウドを利用することで専用サーバの導入の手間も省けて手軽に使えるようになりました。
スタンドアロン型とは違い、複数のデジタルサイネージを一括管理でき、配信予約が可能です。
一番のメリットは遠隔操作が可能で決まった時間に複数台同時に映像や文字情報などを切り替えることが可能です。

この他にコミュニケーションの取れるインタラクティブ型サイネージもあります。
こちらはネットワーク配信型にプラスしてタッチパネルなどで操作し、検索機能をもたせることができたり、モーションセンサーで人の動きに合わせて映像を切り替えるなど、様々な活用方法が注目されています。

2 デジタルサイネージを使用するメリット

デジタルサイネージ

映像と動画と音声から情報を得られるデジタルサイネージですが、具体的にどのようなメリットが有るのでしょうか。
ここではデジタルサイネージを使うことによって得られるメリットはどのようなものか解説していきます。

・人員削減

タッチパネル式のデジタルサイネージを置くことによって案内や検索まで利用者自身で行ってくれるのでその分人員を配置する必要性がなくなります。
また、訪日外国人が急増している昨今、タッチパネルで案内することができればよりスムーズに対応することも可能です。

・ターゲットを狙った広告を発信

決まった時間、場所で配信をすることによってターゲットを絞って訴えることができます。
従来のポスターや看板とは違い、最新の情報を発信することもできるので、注目度も集まりやすくなります。

・動画、音声で注目度を高める

デジタルサイネージを使うことによって静止画ではなく、動画や音声でも視認性を高めることができます。
文字情報や静止画よりも動画のほうがより情報は伝わりやすく、人を引きつける力を持ちますので販促にも繋がります。

・広告の差し替え工数の削減

従来のポスターなどを変更するとなれば人手も時間もかかってしまいます。
ネットワーク配信型デジタルサイネージを使えば全国に複数設置している情報も手軽に変更することができ、その分の手間と時間を節約することができ、ランニングコストの削減につながります。

3 屋外でデジタルサイネージを使うには?

デジタルサイネージ

デジタルサイネージを屋外で使う場合は日差しや塵、雨など過酷な環境に耐えられる仕様のものを選ばなければいけません。
誤って屋内用の機器を選んでしまうとすぐに壊れて高額な修理費を払うことになってしまうことも。。。
そうならないために下記の点を確認しておきましょう。

3-1 防塵・防水対策がされているか

室外用のデジタルサイネージを選ぶ際は防塵・防水対策がされているかどうかの確認を必ず行ってください。外で使用するけれど雨は当たらないからといって屋内用デジタルサイネージを使用してしまうと砂埃などで故障してしまう恐れもあります。
また、直射日光によって高温になることも故障の原因となってしまいます。
防塵・防水対策がされているかはIP規格(電子機器の防水・防塵の規格)を確認して使用するよう心がけてください。

3-2 ディスプレイの明るさは十分か

室外で使用する場合、屋内とは違って直射日光が当たることによってディスプレイの輝度が負けてしまうかもしれません。そうなると暗くなってしまい、せっかく設置したディスプレイが見えないということもあります。
一般的に屋内では400〜700cd/㎡の輝度が必要と言われていますが、外となると1200cd/㎡以上の輝度が必要と言われています。参考にしてみてください。

3-3 視認距離はどのくらいか

室外用のディスプレイを設置する際は明るさはもちろんですが、遠くからでも目立つものを設置するのか、至近距離からきれいな映像を表現したいのかという点も注意してください。
一般的にデジタルサイネージには「LEDディスプレイ」と「液晶ディスプレイ」を使用しています。
LEDディスプレイのほうが液晶ディスプレイに比べて格段に輝度が高く、明るくはっきりとした映像を映すことができます。そのため、遠くからでも目立たせるように設置するならLEDディスプレイの方が適しているでしょう。
逆に、液晶ディスプレイは至近距離でも繊細な表現ができたり、視認性を重視させる場合にはこちらを使用するほうが適しているでしょう。

3-4 補償内容の確認

いくら室外用だからと言ってもデジタルサイネージは精密機械ですので何が起こるかわかりません。
また、いくら手が届きやすい機器になったとはいえ、決して安いものではありません。
どんな保証内容なのか、保証期間はどのくらいなのかも必ず確認しておくことをおすすめします。

4 価格の目安

デジタルサイネージ

デジタルサイネージの価格はどのくらいでしょうか。
一般的に室外用は購入すると10万円以上、高額なものだと100万円を超えるものもあるのでなかなか手が出しにくいですね。
レンタルであればイニシャルコストも下げることができますので導入しやすくなります。
大きさ、取り扱っているメーカー、業者、保証内容によっても大きく変わっていきますが、月々8000円前後からレンタルすることが可能です。
レンタル内容もディスプレイは、STB(Set Top Box)と呼ばれるコンテンツを再生するプレーヤー、ディスプレイスタンド、ネットワーク配信型であればWi-Fiなどのレンタルも含まれているかそれぞれ業者に確認した上でレンタルするようにしましょう。

5 導入までの流れ

デジタルサイネージ

ここまででこれから導入しようとしているデジタルサイネージもどんなものが適しているのか絞れてきのではないでしょうか。
それではいざ導入してみましょう。
でもどのように進めて良いかわからないという方は下記を確認してみましょう。

5-1 プランニング

まずはデジタルサイネージを導入するにあたって「いつ導入するのか」、「その目的はなにか」、「どこに向けてアプローチするのか」、「予算はいくらか」などをよく吟味することで業者に依頼する際に業者の選定もしやすく、話もスムーズに進みます。
業者を選定した後に担当者と相談しながらより細かく話を詰めていきましょう。
業者は設置から保守・運営まで一貫してサポートしてくれるところであれば安心してすすめることができます。

5-2 コンテンツ制作

プランニングから並行して行うのがこのコンテンツ制作です。
デジタルサイネージの設置業者が提案してくれる場合もありますし、他業者に依頼する場合もあれば、最近は手軽なところでPowerPointで作成することもできます。
どのような提案をしたいのか、予算なども吟味しながらコンテンツを制作していきましょう。

5-3 機器選定

詳細が決まったら担当者と設置現場の視察に行ったり、ショールームを持っている業者であれば実物を見ながら設置イメージを検討していくと良いでしょう。
現場に対して想像していたよりも大きいor小さい、いざ設置してみたら暗くて見えなかったということがないよう、業者と相談しながら検討していきましょう。

5-4 設置工事

ディスプレイからそれに基づいた機器を設置してもらいます。
場所によっては施設の利用者や通行人に迷惑がかかってしまうこともあります。
設置してもらう日時はこういった自体も考慮して業者と決めていきましょう。
また、設置完了後は必ず動作確認を業者立ち会いのもと、行いましょう。

5-5 保守・運用・メンテナンス

設置が完了したら業者から取り扱いの説明を受けながらデモンストレーションなどを行い、運用準備を進めていきましょう。
運用準備が完了したら、いよいよ運用を開始します。
来客状況、売上の変化などを記録し、デジタルサイネージ導入からどのような変化が起こったのか検証していきましょう。
また、使用していく中で、機器の不具合が出てくることもあると思います。
業者が定期メンテナンスをしてくれるのか、不測のトラブルの際の対応はどうなっているのかなど、契約時に必ず確認するようにしましょう。

6 まとめ

デジタルサイネージ

従来のポスターなどに比べて高い視認性を持ち、より多くの情報を拡散できるデジタルサイネージ。
しかし、目的、用途にあった使い方をしないと効果も半減し、費用対効果もあがりません。
しっかりと事前準備を整えて、より効果的に活用していきましょう。

 

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